Hakuto (Thailand) Ltd.

Sansan で実現する
日タイ間のシームレスな情報連携と
強い営業組織の構築

Hakuto (Thailand) Ltd.'s image

グローバルに19拠点を展開する、エレクトロニクス商社でありケミカルメーカーでもある伯東株式会社。そのタイ子会社である Hakuto (Thailand) Ltd. は、1989年に設立されました。日本本社とASEAN各拠点との情報連携を強化するべく Sansan を導入した同社に、その後の効果や多岐にわたる活用法について伺いました。

目 的
  • 日タイ間の名刺情報を一元管理
  • 引き継ぎの効率化
  • 事業部間での営業連携強化
課 題
  • 日タイ間および事業部間での情報連携が非効率
  • 社員の営業活動状況が不透明
  • 女性社員の産休・育休に伴う、情報棄損リスク
効 果
  • 情報連携の効率化で戦略的顧客アプローチが可能に
  • 営業活動の可視化で社員の適正評価とモチベーションの向上
  • 引き継ぎ効率化により女性のキャリア支援に寄与
Sansan を業務インフラとして活用し、
強い営業組織を構築
[ お話を伺った方 ]

Head Office Managing Director 津國貴裕 様

事業部間で重複していた顧客情報が可視化され、
ビジネスチャンスをタイムリーにとらえることで営業力が強化されました

事業内容について

当社は1953年の創業以来、最先端の情報や技術を迅速に提供する技術商社として、また、生産効率を追求した工業薬品を生み出すメーカーとして成長を遂げてきました。タイ拠点の設立は1989年に遡り、半導体・電子部品事業、化学事業、装置事業の3つの主要分野において事業を展開しています。それぞれの事業は部分的にお客様が重なるケースも見受けられますが、独自の専門性とノウハウを活かし、多岐にわたるニーズに対応しています。

既存顧客ネットワークを活用し、
新規市場を開拓

当社の売上の約7割は日系企業によるものです。このため、「ローカルビジネスの拡大」は各事業部における共通の戦略目標となっています。しかし、新規顧客へのアプローチはハードルが高く、仮に取引が成立したとしても、売掛金の回収リスクが常に伴うため、慎重なターゲティングとフィルタリングが不可欠です。外部パートナーから財務諸表やリスク評価レポートを取得するなど、取引の開始までに一定の時間を要することも少なくありません。さらに、これまで取引がない会社と取引を開始する場合、関係構築には1~2年を要する場合もあります。そのため、迅速な売上拡大には戦略的なアプローチが必要です。具体的には、既存取引のある事業部が他の事業部の顧客に対し、新しい商品やサービスを紹介することが最も効果的な手法となります。

4つの事業部間の情報共有を実現

Sansan を活用することで、各担当者が個別に保持していた情報を共有・公開し、4つの事業部間で重複する情報を正確に把握、未開拓の情報を相互に紹介し合うことが可能となりました。これにより、初期のアプローチを効率的かつ戦略的に進めることができています。

また、Sansan の導入に伴い、外部コンサルタントを招いて各事業部のマネージャー候補者が部門を超えた協業について検討する機会なども設けています。この取り組みにより、情報共有が進むだけでなく、新たなビジネスチャンスを捉えるための協業意識が醸成されていると感じています。

Sansan のデータは人事評価に活用し、
従業員のモチベーション向上や女性のキャリア支援にも寄与しています

公正な人事評価と社員の
モチベーション向上に貢献

Sansan の活用状況は、人事評価の一環として取り入れられています。たとえば、ある担当者が新規顧客の開拓に取り組んでいた際、その活動状況が不透明であったため、雇用契約継続の是非が議題に上がったことがありました。しかし、Sansan の名刺スキャン数の月別推移を可視化することで、その担当者が継続的に活動していることが確認され、契約の延長が決定。以後、その担当者の営業活動は順調に進展していきました。このように、Sansan が提供するデータは、従業員の努力を正当に評価し、適切な意思決定を支える重要な指標として機能しています。

また、Sansan を活用したデータの可視化は、社員のモチベーション向上にも寄与しています。名刺の取り込み作業は単なるルーチンワークにとどまらず、成果が数値として視覚化されることで、社員は自身の取り組みの結果を実感し、達成感を得やすくなりました。この仕組みによって、社員の業務に対するアプローチが改善され、最終的には組織全体の業績向上へと繋がっています。

引き継ぎの効率化と
女性のキャリア支援に寄与

さらに、職場の約7割を女性社員が占める当社では、産休や退職時の引き継ぎが特に重要な課題です。かつては対面での引き継ぎが主流であり、時間と手間がかかっていましたが、Sansan 導入後は、業務の中断を最小限に抑え、顧客や取引先への影響も軽減することができました。その結果、後任者や復職した社員がスムーズに業務へ適応できる環境が整い、実際に私の赴任後も3名が産休を取得し、そのうち1名が既に職場復帰を果たしています。Sansan は業務効率の向上に加え、女性のキャリア支援にも大きく寄与していると実感しています。

従業員に対してシステム利用を強制せず、
柔軟かつ自主性を重視したマネジメントを心がけています

自主性を重視したマネジメントで
社内浸透を促進

日本本社では Sansan が導入されており、それが標準的な仕事環境となっていました。しかし、タイへの赴任後、Sansan が未導入である状況に直面し、業務上の不便さを実感。赴任から3ヵ月後には、即座に導入を決定しました。

Sansan の導入に際しては、従業員に対してシステム利用を強制せず、柔軟かつ自主性を重視したマネジメントを心がけています。営業担当者には、既存顧客との関係維持を担う者と、新規顧客の開拓を担う者が存在し、それぞれの役割に応じたシステム活用が求められます。そのため、名刺を取り込むことは会社のルールとする一方で、具体的な進め方は担当者の裁量に委ねています。また、各部門のマネージャーには月次でデータが報告され、部下の活動状況を的確に把握することができます。こうして、各担当者が自身のペースでシステムを活用しつつ、必要なサポートを受けられる体制を構築しています。

もはや Sansan なしでビジネスを
遂行することは想像できません

Sansan が業務インフラに

Sansan は、今や業務運営の要として不可欠なインフラとなっています。名刺情報を一元管理することで、営業担当者が必要な情報へ瞬時にアクセスできるようになり、営業活動の効率が劇的に改善しました。また、国内外で同じデータベースを活用することで、複数の拠点が連携し、顧客のニーズに迅速に対応できる体制が整いました。Sansan は単なる名刺管理ツールにとどまらず、国内外の連携をスムーズにし、業務の効率化を支える基盤となっているのです。

例えば、日本からタイへ移管されたビジネスでは、情報連携が非常に重要です。「この件は日本側で把握しているのか?」や「誰に確認を取ればよいのか?」といった情報は、取引を円滑に進めるうえで不可欠です。かつては、日本の部長やマネージャーに直接電話で確認することが常でしたが、双方が多忙を極める中、リアルタイムでの情報共有が難しい場面も少なくありませんでした。

打ち合わせ前準備を格段に効率化

また、Sansan の名寄せ機能によって、過去から現在に至るまで複数存在する名刺も同一顧客として統合され、最新の役職情報が把握できる仕組みになっています。これにより、名刺が登録された時点での顧客の役職や社内担当者情報も正確に把握でき、役職が上がって直接会う機会が減ったとしても、過去の会話を基にスムーズに対話を進めることができます。Sansan 導入前は、限られたメンバー内でしか情報を共有できませんでしたが、今では私が知らない社員が入力した情報も含め、すべての情報を確認できるようになり、どの時点の担当者にもタイムリーにコンタクトを取ることができるという強みが生まれました。

ASEAN全域での活用で営業成果の
最大化を目指す

現在、マレーシア、シンガポール、タイの3拠点では Kintone を活用して案件管理を行い、シンガポールおよびタイでは Sansan による顧客管理を実施しています。案件によっては複数のキーマンが存在したり、複数の拠点から営業担当者やエンジニアが連携してサポートする場合も多いため、今後は、Kintone と Sansan のシステム連携を進め、案件におけるキーマンを正確に把握し、適切に管理する体制を整えていきたいと思います。

情報のDX化はASEANにおける戦略構築の必須課題であり、タイでの成功事例を積極的に横展開していく方針です。今後は、マーケット、トレンド、競合、顧客、案件に関するあらゆる情報をASEAN全域でシームレスに共有し、活用する環境をいち早く整え、各国の文化を確立していきます。これにより、各国のスタッフがどの地域でも柔軟に対応できる体制を整備し、限られた人的リソースで成果を最大化することを目指しています。

※本資料は2024年11月に作成されました。掲載されている内容は作成時点の情報です。