DAIICHI JITSUGYO ASIA PTE. LTD.
各国の顧客情報をSansanで可視化。
今後は国を超えた情報の相互活用で、 グローバル全体の組織力を高める。
総合機械商社としてグローバルにビジネスを展開する第一実業株式会社(DJK)。その子会社であるDAIICHI JITSUGYO ASIA PTE. LTD.(DJKA)はアジア地域統括会社としてASEAN諸国を中心に7カ国10拠点でSansanを一括導入。全社でデジタルトランスフォーメーションを進めています。その第一歩として名刺情報のデータベース化に着目した理由や、今後の活用についてのビジョンを伺いました。
目 的
- 名刺管理業務のデジタル化による生産性向上
- 日本と海外の拠点間で顧客データベースを共有する
- 人脈やナレッジの可視化・共有による営業力強化
課 題
- 名刺や顧客情報の管理方法が属人的
- 海外赴任時・帰任時の引き継ぎ業務が煩雑
- 社内の人脈を営業活動に活用しきれていない
効 果
- 日本とアジアの拠点間で名刺情報の一元管理が可能に
- 海外赴任時や帰任時の情報の引き継ぎが効率化
- 出張先でも容易に顧客情報が確認できるようになった
テクノロジーによる組織力強化。
その第一歩としてSansanを導入
[ お話を伺った方 ]
Managing Director 船渡雄司様
HR Executive 幸村洋希様
ドイツ駐在時に体感したテクノロジーを活用した経営手法。
アジアで活用するための第一歩が名刺のデジタル化でした
事業内容について
船渡様 DJKは6つの事業セグメントを有しており、DJKAグループでは、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、フィリピン、インドの7カ国10拠点で事業を展開しています。各国のナショナルスタッフと共に現地のあらゆるニーズにスピーディーに対応できる体制を整え、「事業×エリア」というマトリクスな組織構造の下、営業展開をしています。アジア地域では、特に産業機械事業とエレクトロニクス事業の領域が成長しています。日系企業の海外進出のお手伝いだけにとどまらず、アジア企業と欧米企業との取引まで、DJKAのビジネスフィールドはますますグローバル化しています。
テクノロジーの導入は、Sansanからスタート
船渡様 DJKの営業スタイルとして、「あの人に言えば話が早い!」とお客様に頼っていただける人間関係の濃いビジネスの仕方を大切にしています。そのため、基本的に顧客情報はその担当者個人に蓄積されていく傾向がありました。顧客との信頼関係をベースにビジネスを成立させていくこと自体は商社として問題ないのですが、顧客データ管理の属人化に関しては、ビジネスの効率性やリプレイサビリティーの観点から問題意識を感じていました。私自身、ドイツ駐在時にテクノロジーを活用した経営手法を学び、組織で共通データベースを構築することの重要性を体感していたため、DJKAの代表としてシンガポールに赴任後、すぐにこのような情報基盤を作りたいと思い、各種ITツールの導入に着手しました。何をするにも、顧客情報があらゆるデータの土台となります。そのため、デジタルトランスフォーメーションの第一歩としてSansanの導入を決めました。
DJKAグループでは、5つの事業セグメントを7カ国10拠点で展開しています/船渡雄司様
名刺をスキャンした先にある価値を伝えたことが
運用定着のポイントだったと思います
海外拠点の名刺管理はSansan一択
船渡様 前回の駐在先から日本へ帰任した際、その翌日からすぐに東京でお客様へあいさつ回りをする必要がありました。当時私が事業本部長を務めることになった組織では、既にSansanを導入していたので、このときはとても助かりました。というのも、Sansanを使えば次に訪問する会社や担当者の情報、これまでの取引内容などを出先からでもすぐに調べることができたからです。一日に何社も訪問してたくさんの方とお会いすると、次々に新しい情報が入ってくるため、それを全て記憶することは大変です。しかし、Sansanがあったことで、いつでもどこでも見たい情報を簡単に見ることができ、そこに新しい情報を加えていくこともできました。使い勝手の良さを日本で体感していたこともあり、海外拠点でもSansanを導入すれば、引き継ぎの負担が軽減され、日々の営業効率も上がることが分かっていたので、DJKAでもSansanの導入を決めました。
7カ国10拠点での導入を成功
幸村様 DJKAグループ全体の総務人事全般を担当しているため、私が導入担当をすることになりました。7カ国10拠点での導入を成功させるために、各拠点を回って説明会を行ったのですが、名刺情報を共有することの価値をスタッフにまず理解してもらうことが大変でした。名刺は企業資産であること、自分の引き出しの中に眠らせていてもそれ以上の価値を生まないこと、他の社員が所有する名刺が見えるようになることのメリットなど、さまざまな事例を出しながら説明していきました。Sansanの使い方はとても簡単ですし、便利な機能もたくさんあります。しかし、それも名刺をスキャンしてもらわなければ始まりません。そのために、名刺をスキャンした先にある価値を伝えることを重視したのが、利用定着のポイントだったと思います。また、私自身、日本で営業を経験していたことから、具体的な利用シーンが想定できている状態で活用方法を提案できたのが良かったのかな、と思っています。
各国で全部門のスタッフが所有する名刺をデータ化することにこだわりました/幸村洋希様
データの数が多いほどビジネスに広がりが生まれるので、
全員でデータベースを構築していくことにこだわりました
全部門のスタッフの名刺をデータ化
幸村様 導入を検討している段階では、営業スタッフが持っている取引先名刺だけをデータ化すればよいという話もありましたが、全部門のスタッフの所有名刺をデータ化することにこだわりました。われわれのビジネスは、情報やネットワークを駆使して、買いたい人と売りたい人を結び付けることが軸となっています。いつ、どこで、誰が、ステークホルダーになるか分かりませんから、それぞれが持っている人脈を会社の資産として共有することで将来のビジネスに活用していくことができます。人脈が多ければ多いほど、当社のビジネスはもちろん、ステークホルダーのビジネスも広げていけるので、所属部門や仕事内容にかかわらず全員でデータベースを構築していくことを徹底しました。また、個人的には出張が多いこともあって、Sansanの情報をスマートフォンのアプリからも簡単に確認できるという点にも非常に魅力を感じています。
国を超えた取引先情報の活用へ
幸村様 導入当初は名刺をスキャンすることへ抵抗があったスタッフもいましたが、今では新規名刺を入手したら全員がSansanでスキャンする習慣ができました。当社はもちろんのこと、取引先の担当者にも人事異動はあるため、担当者の異動によってビジネスが途切れてしまうのは互いにとってデメリットでしかありません。長くビジネスを続けていくためにも、正確な情報がコンスタントに社内共有されることはマストだと考えています。
さらに、導入時の大きな目的であった日本と海外の拠点間でデータベースをつなぐ作業が完了しました。次のステップは、この大きなデータベースをどう相互活用していくか。例えば、海外赴任時・帰任時の引き継ぎですね。前任者と後任者が異動前から同じデータベースを見て取引先担当者の情報を確認できるので、引き継ぎ自体がとてもスムーズになりました。人脈という資産をつなぎやすくなったことは、とても大きなメリットだと感じています。また、経歴画面でお客様の異動情報がトレースできることも非常に便利に感じています。
「現地のナショナルスタッフもSansanを活用しています/幸村洋希様
それぞれの感性や嗅覚に、テクノロジーの力を組み合わせる。
その相乗効果が強い組織を作っていくと考えています
各国の展示会でSansanを活用したい
幸村様 今後、すぐに活用したいと考えているのは、Sansanのメール配信機能です。各国で展示会に出展した際に、どの展示会でいただいた名刺かというタグを付けてスキャンして、タグごとに抽出した対象へお礼のメールを個人のメールアドレスから一括送信することができます。メールアドレス、会社名、役職、氏名などは、1文字間違うだけでも致命的なミスになってしまいます。今までは名刺の情報をExcelに転記した上で、各担当者が個々にメールを送信するという作業を行っていました。それゆえに配信するまでに手間が掛かっていた作業でしたが、今後はスキャンするだけで、素早く正確にメール配信を行うことができます。展示会のフォローがこれだけ効率化されるのは、とても大きなメリットです。この機能は、各国の拠点でぜひ活用していきたいと思います。
さらなるIT化を推進
幸村様 利用目的に合わせて、さまざまなテクノロジーを順次導入していますが、今後はそれらをSansanと連携させて、業務フローのさらなる効率化を進めていきたいと考えています。これまでに一人ひとりが持っていた感性や嗅覚に、テクノロジーの力を組み合わせる。その相乗効果で、これまでにない強い組織が作れると考えています。
そのためにも、新しい名刺がスキャンされ続けるようにして、取引先担当者の情報がアップデートされ続ける状態をまずは作ることを目指します。そして、Sansan上で取引先ごとに組織図が生成されることで立体的になったデータに、人力で集めた細かな情報をどれだけ組み合わせて共有できるようにするか。これから、どうやってデータをもっと活用していけるか。非常に楽しみです。
一人ひとりが持つ感性や嗅覚にテクノロジーの力を組み合わせ、強い組織を作りたいです/船渡雄司様